禍々しすぎて草


 どう聞いても神話怪物か何か召喚してるわこれ(笑)。

二人の変態にも増して


 この一冊だけでつばめとみどりの変態っぷりが余すところなく表現されてるとか、新キャラが変人すぎるとか、その辺全部ブッ飛ばして「あのLINEスタンプ」のアイコンにほぼ丸々1話使ったのには、笑いを通り越して固まった(笑)。

え、アニメ化?


 最近珍しい「異世界転生ものではない作品」だったので、読んでいた。原作小説だと、竜闘女の手術のエピソードまでの盛り上がりがなかなかよかった。
 一点だけ気になったところがあるとすれば、スキュラが原典と違う姿だったこと。スキュラといったら「犬の子」という意味なんだから、やっぱり下半身は原典どおり犬が正道だと思う。

スキュラの下半身は…?

 余談だが、スキュラの下半身を犬以外で描写した作品で、ソードワールドより古い作品は見つけられなかった。
 実はこの話、ちょっと深い話かもしれない。ソードワールド関連でスキュラが登場するというと、有名どころでは山本弘氏の「ジェライラの鎧」などがある。この小説の山場が、スキュラに襲われたジェライラが、恋人に作ってもらった鎧に命を救われるシーン。上半身が死してなお動き続けるスキュラの下半身ははっきり蛇と描写されており、265ページのイラストも蛇そのものである。
 しかし、ウィキペディアスキュラに関する中世の絵画を紹介するページなどを見ても、スキュラの下半身はどう見ても犬もしくは魚。触手には見えなくもないが、明らかに蛇ではない。

(耳があるので犬とわかる)

 とはいえ、これだけなら「スキュラの下半身を蛇と触手にしたのは、ソードワールドのオリジナル要素なのかな」で終わる話だ。ドラゴントゥースウォリアーなどアレクラスト独自のモンスターはたまにいるし、オーク(・サーバント)やベヒーモスのように既存モンスターと同じ名前でありながら全く違うモンスターもいる。それ自体は全く問題ない。
 ところが、同じグループSNEの「モンスター・コレクション改訂版(中)」におけるスキュラの項目には、スキュラがギリシャ神話から来たモンスターであることが明記されていながら、下半身が蛇と触手のモンスターであるとしか記述がない。それがソードワールドのオリジナル要素だとはどこにも書かれておらず、まるで元ネタの段階で下半身は蛇と触手であったようにしか読み取れない。だが繰り返しになるが、それは語源や古典絵画の描写に反するのだ。
 モンスター・コレクション改訂版は、一体どこから元ネタを引いてきたのだろうか。ダンジョンズアンドドラゴンズにはスキュラは登場しない。もしかしたら私が持っていないAD&Dのフィーンド・フォリオにはあったのかもしれないが。あるいは映画版のアルゴー号の冒険か何かにそんな描写があったのか(未見なので確認できない)。なお、FF14に登場するスキュラは原典どおり犬の下半身であるが、なぜか首から上も犬になっている。

 モンスターのお医者さんをきっかけに「犬でないスキュラ」を調べていったら、思わぬ深みに嵌ってしまった。機会があったらもうちょっと調べてみることにしよう。