PC版のニコニコ動画にログインしてみて驚いた。昨日までできた「アイドルマスター」とか「東方」ジャンルでのランキング表示ができなくなっている。もしかして有料会員専用サービスになったのか? バージョンアップして機能退化したのか? 何故この変更を事前に告知しない?
衝動的に上の文章を書いてしまったが、表示する方法自体はあることがわかった。取り消してお詫びする。
ただ、告知が不十分なことについては取り消しも謝罪もしない。
君が先か
実装されるんだったらキリン改二よりボクカワウソのほうが先かと思ってたんだけどな……(笑)。
コロコロ少年の思い出(11)
さて、今回は新たな(古い?)ゲームの思い出ではなく、クラシック・ダンジョンズアンドドラゴンズ(CD&D)のエピソード、コロコロ少年(2)の続きである。
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結局、なんだかんだで最初のプレイグループで一番長く続いたのが──つまり、少年時代に一番多くプレイしたのが、CD&Dだった。恐らく、一番お金を使ったのもCD&Dだったはずだ。何しろアクセサリが幾つもある上に、雑誌は専門誌だったから。
コロコロ少年(1)の時から、同じ舞台で、基本的に同じPCを使うキャンペーンを続けたが、公式のミスタラワールドで遊んでいたというわけではない。*1オリジナルの世界設定だった。
ダンジョンマスター(DM)である私は、それを「ゾディアックワールド」と呼んでいたが、プレイヤーにはまったく浸透しなかった(笑)。なぜその名前を付けたかというと、黄道十二宮の名前が付いた敵が出てくるわけでもないし、もちろん黄金聖闘士にも関係がない。
簡単にいうと、ワールドマップが天球図だったからである。
これは多分に私の趣味だけれども、きっかけはプレイヤーの要望だった。レベル3のダンジョンシナリオまではどうにかこうにかうまくいったキャンペーンだったが、そこから「恐怖の島」「アンバー家の館」とこなし、ワイルダネスアドベンチャーに突入したところで、プレイヤーから苦情が出た。
当時、レベル4以降でワイルダネスアドベンチャーができること、そして地図の見本についてはエキスパートルールセットに載っていたが、地図の書き方については、ダンジョンの頃のそれと違ってガイダンスがなかった。そして、私がやろうとしたのは「覇邪の封印」というコンピュータゲームのように、今自分がいる場所と、その周りのへクスだけがわかる、というものだった。
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なので、プレイヤーの苦情というのは当然「どっちに向かえば次の町があるのか分からない」というものだった。そんなもの道沿いに歩けばいいじゃないかと他のゲームだったら思うが、CD&Dは違う。道を歩くだけで命がけなのだ(笑)。
ワンダリングモンスターとの遭遇表でドラゴンの出る目を振ったら高確率で一発アウト。他にもヤバいのがゴロゴロいた。しかも、遭遇判定は街道を歩いていようが辺りが拓けていようがなんだろうがロールするものである。となると、プレイヤーとしては次の町まで最短距離を歩きたい。道に沿って歩くといっても、その道自体が大回りしているのなら突っ切って最短を歩いたほうが危険は少ない(モンスターとの遭遇に関しては)。
しかし、地図をDMが書いてしまってはマッピングや探索の楽しみがなくなってしまう。
今だったら、街道沿いだけはあらかじめ書かれている地図を渡すか、そもそも町と町との移動では遭遇表を振らなくていいとするだろうが、当時の私は違うことを考えた。
プレイヤーは町の場所と、それを繋ぐ最短の道程を知りたがっている。町が点、道程が線だとすると、点と線だけで図形を描けるものは何か。……星座である。天球図を地図にすればよいのだ。
「君たちが今いるのはプロキオンの町だよ」といえば、天球図を見れば、「シリウスの町」に向かうためにどっちへ歩けばいいのかはおのずと分かるわけだ。これが例えばカシオペア座にでもなれば5つの町がWの字に並んでいるわけで、なおさら分かりやすい。途中の地形が分かるわけではない(位置しか分からない)ので、マッピングする楽しみもなくならない。
「天球儀を地球儀にするワールドマップ」……これ、当時我ながら結構良いアイデアだな、と思っていたんだけど、プレイヤーの反応は薄かった(笑)。逆にプレイヤーたちが、このキャンペーンをなんと呼んでいたかというと、大抵「あの喋る魔剣のやつ」だった。
その魔剣はいかにして人語を話すようになったか
こちらは簡単な理由である。単純に、私がインテリジェント・ソード(知力を持つ剣)という、喋る魔法の剣をキャンペーン中にやたら出しまくったからだ。このキャンペーンは、覚えている限りでもプレイヤーが11人(セッション一回しか参加していないプレイヤーも含めて)。それに対して、私はインテリジェント・ソードを4本も登場させている。*2CD&Dのインテリジェント・ソードはエキスパートルールセットの何十もあるマジックアイテムのうちのたった一つ*3なので、これを何本も出したというだけで、私がいかにインテリジェント・ソードが気に入っていたかは、プレイヤーにも一目瞭然だった。
では、なぜ私はインテリジェント・ソードが気に入っていたか。その理由は、当時は自分でも言語化できなかったけれど、今ならできる。私はこのマジックアイテムを、プレイヤーに情報を与えるツールとして使っていたのである。
前にもチラッと書いたし、上にも書いたが、私はこのメンバーで、エキスパートルールセットに添付されていた「恐怖の島」をプレイしたことがある。結果どうなったかというと、PCたちはその島にいた中立的なヒューマノイド・モンスターの集落を武力で壊滅させてしまった(他のモンスターもだが)。
最初は「みんな何てことをするんだ」と思ったが、逆にプレイヤーの立場から考えたら得心がいった。プレイヤーにしてみると、このモンスターが「自分たちに悪意を持たない中立的なモンスターである」と判断する根拠がないのだ。このモンスターはこのシナリオのオリジナルの敵。そしてこの島には、ヒントをくれる存在がいない。ロードス島戦記のリプレイ(連載版)を読んで「アライメント・ランゲージ(性格語)で話しかければ、少なくともアライメント(性格)はわかるのでは」という意見も仲間内で出たが、そもそもアライメント・ランゲージは読心術でもなければ相手に返答を強制するものでもない。相手が「黙る」という選択をしたら、やっぱり相手のアライメントは分からない。*4
アンバー家の館も似たようなものだ。ある人は雑誌の記事で「シャルルマーニュが~」とか「フランス文学が~」とか呑気なことを書いていたが、遊んだ身からするとそれどころではない。既存のモンスターの名前の前に「ガルガンチュア」とつければHPを8倍にしていいとか、ヒットダイス(レベル)100の「コロッサス」なるモンスターが出てくる*5とか、館で寝るだけで運が悪いと死ぬ*6とか、割とメチャクチャなシナリオなのだ(笑)。
プレイヤーとしては情報が欲しいし、DMとしては何とかヒントを与えたい。こんな時、DMとしてはどうしたらいいか。ガゼッタ未導入の環境では、CD&Dに技能ルールがないことは前にも書いたとおりだ。技能判定で情報を得ることはできない。
PC自身で対応しようがないのなら、まず思いつくのは助言役のNPCを同行させることだろう。しかし、プレイヤーにはインテリジェントソードの方がNPCより好評だった。なぜなら、PCが意に反することをした場合、NPCだと協力を拒むとか、あるいは力づくで止めてくる可能性があるが、インテリジェントソードならその助言を容れようが容れまいが、剣としての機能には変化がない。拒否権もない。プレイヤーとしては主導権を握っていられる。
また、DMから見ても、インテリジェントソードは「ここにNPCが付いていくのは不自然だろう……」と思う場面でも同行させることに違和感がない。──また、情けない話ではあるが、インテリジェントソードは「脅迫して言うことをきかせる」ことができないので、都合が悪くなったら黙るだけでいい(笑)。
キャンペーン途中、余りにも誘導が露骨になりそうになる場合には、インテリジェントソード同士に別々のことを喋らせたこともある。どっちを信じるかはプレイヤーに任せるわけだ。これだけでも、プレイヤーにとっては無数にある選択肢の中から「AとBのどっちの剣を信じるか」まで絞り込める。
ここまで読んで「これってテイルズオブデスティニーのソーディアンでは?」と思った人もいるかもしれないが、それはまだ発売されていない頃の話である。私自身が参考にしたのは、J・H・ブレナンのゲームブックシリーズに出てくる「エクスカリバー・Jr」だ。ご存知の方もいるのではないだろうか。
暗黒城の魔術師 (サラ・ブックス―ドラゴン・ファンタジー (387))
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……そんなこんなで、失敗の上に工夫を重ね、苦労しつつも楽しく続いたキャンペーンだった。
もし、「星座の形の地図に、喋る魔剣が何本も出てくるD&D? どこかで聞いたことがあるような」と思ったのであれば、貴方は私の古い友人の一人かもしれません(笑)。