これは良機能


 コメントを画面内に表示できるようになったのは素晴らしいと思う。今までの動画も是非コメント付きで見たかった(ふつおたの重さから目を逸らしつつ)。
 あと、初めてShowroomでも表示してみた。前のVTuber美希もこれで配信されたんだよね。こういうシステムだったのか。

あのゲームには存在しない

gamedaradara.doorblog.jp


 この話題定期的に湧くNe! ということで、ヒットポイントの話とアーマークラスの話は前にも書いたことがあるのだけど、一つ大事なことを書いていなかったのを思い出した。

 実は「ヒットポイント」が存在しないゲーム(TRPG)が存在する。
 トーキョーN◎VA(及び派生作品のトーキョーナイトメア)である。



 ヒットポイントが耐久力とか生命力とか他の名前で呼ばれている、あるいはローズトゥロードのように他の能力値の合計がヒットポイントの代わりになっている、などではない。本当に「存在しない」のだ。
 トーキョーN◎VAにも「生命」という能力値はあるが、それはハートのカードを使う判定の基準値にしかならず、ヒットポイントとしての役割はない。
 では、どのようにダメージを決定するかというと、敵への攻撃判定が成功すると、自分の攻撃力から敵の防御力を減算する……ところまでは普通のゲームと同じだが、そこで手札または山札からトランプを一枚出して、ダメージに加算する。合計した数値を「ダメージチャート」と呼ばれるチャートを参照し、その結果を適用する。ヒットポイントがゼロになるという概念がないため、ダメージチャートで「気絶」や「完全死亡」などの結果が出ない限り、相手は倒れない。
 ヒットポイントとどこが違うかというと「累積しない」というところである。ヒットポイント制であれば、一人目が5ダメージ、二人目が5ダメージを与えれば、合計で10ダメージとなるが、トーキョーN◎VAの場合はそこでチャートの10番(気絶)を適用したりしない。5番(背部裂傷)を2回参照して終わりである(紛らわしいが、あくまでも数値を累積しないだけで、チャートの結果そのものは治癒しない限り累積する)。

 「え、それじゃ相手を一撃で倒せる攻撃以外は無駄ってこと?」となりそうだが、そうではない。トーキョーN◎VAがヒットポイント制を採用していないのは「判定にカードを使用する」という特殊なシステムだからである。
 「カードを使用する」ということは「狙ったカードを出せる」ということだ。そして、このダメージチャートは特殊なつくりになっており、必ずしも数値が高いほど致命的な状況になるとは限らない。例えば10が「気絶」、11が「仮死」なのに12は「脚部損傷」。15が「動脈切断(気絶)」、16が「斬首(完全死亡)」で17が「腰部損傷」である。21以上はすべて完全死亡だ。
 これは、適当に配置してこうなっているのではない。N◎VAでは「絵札を10、Aを11と読む」というルールなので、10の出る確率が高く、Aを切り札として温存しているプレイヤーが多いのだ。なので、チャートは特定の数値が出やすくなっている(通常の拳銃のダメージが5なので、15や16も出やすい)。武器や防具、特殊技能に恵まれないスタイルであっても、カードを厳選すれば歴戦のプロを倒せる可能性がある──逆にいえば、歴戦のプロとしては、それを弾くために手札を使う必要が出てくる。つまり「ヒットポイント」という目に見える数値を減らさなくても「手札を削る」ことが、実質他のゲームでいうヒットポイントを削る行為に相当する。また、狙った数値に行かなかったとしても、他のチャート結果はよほどのかすり傷以外はバッドステータスがかかるようになっており、主戦力が止めを刺すのに貢献できるようになっている。*1

 逆にいうと、ダメージカードは10や11が出やすいことを前提に武器や防具を選ぶのが、キャストが生き延びるためのテクニックになっている。前述のとおりサンプルキャラの持っているような一般的な拳銃のダメージは5。これに防具を着ないで対応するのはリスクが高い(15や16ダメージを受けてしまう)。かといって、防御力を5にもっていくのもリスクが高い。プラマイゼロでやはり10や11ダメージを受けてしまうからだ。5にするなら3で止めておいた方がリスクは低い。さらにこれを裏読みして、ダメージ用に7のカードを温存しておく方法や、アサルトナープスという「そのラウンドだけダメージを2上げる」装備があったりする。これらはすべてチャートの結果を微調整するためだ。*2


 ──なお、Rをやっていた頃は、結局この辺りの微調整を試行錯誤した結果、極まった人たちは「うるせえ、ダメージ80ありゃ死ぬだろ!」みたいな世界になっていた。繰り返すが、ダメージチャートの最大は21である(笑)。*3
 

*1:そしてプレイヤー側から見ると、サイバーパンク=アーバンアクションRPGは、ダメージチャートの結果である自分のキャストの肉体損傷は比較的回復しやすい世界である。生き延びることさえできれば。

*2:サンプルキャラでいうと「正義の猟犬」や「企業戦士」あたりは、自分で自分を攻撃すると絵札が致命的な結果になる武器と防具の組み合わせになってしまっている。

*3:ただし、防ぐ側も極まった人は60くらいはゼロまで軽減していたので、当然の帰結ともいえる。