サイバーパンクのハッキングとはこういうもの

 サイバーパンク2077に関連して、最新のゲーマーズフィールドトーキョーN◎VAの記事を紹介しよう。
 主旨としては「かつて、フィクション作品におけるコンピューター・ネットワークの描写として主流だった『全身が動かなくなる代わりに、電脳空間で超高速で動ける』というような描写が現実と合わなくなってきた。だからトーキョーN◎VAのネットワークアクセスの表現も、時代に合わせて変えてきた』というものだ。


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 TRPG のルールも変わっていく。TNXでは没入しても身体が動かなくなるようなことはなく、普通にアクションしながらハッキングできるゲームとなった。
 デザイナーとしての感想を正直に吐露させてもらうなら、七転八倒した30年だった。光り輝く未来のイメージ、あっという間に古びてしまうのは、近未来SFの宿命であり、電脳空間以外にもそういった要素は山のようにある。「レトロフューチャー」と若い人に無邪気に言われて、ちょっとだけ胸が痛む今日この頃である(笑)。
 上記リンク、83ページより


 確かにこのアイデアは画期的だった。記事で触れられているのは「ポルターガイスト」だけだが、当時個人的に非常に印象が強かったのは、むしろ「パワーサージ」という特殊技能の方だった。こちらはニューロの特殊技能でありながら、直接相手にダメージを与えるというもので、ダメージを与えるまでのプロセスにコンピューターをハッキングするための手順的なものが一切ない攻撃技能だったからだ。
 現実世界とトーキョーN◎VAにおけるハッキングの関係性の変化については、この記事に書かれている通りだ。しかし、2077をやっていて非常に面白かったのは、トーキョーN◎VAにおける「自分が全身を動かしつつ相手をハッキングもする」というのが、具体的にはどういうことをやっていて、傍から見るとどう見えるか、というのがよくわかるようになったというのが大きなメリットだった。
 パワーサージやポルターガイストという特殊技能はどんなイメージなのか、とプレイヤーから聞かれた時、ルーラーはエッジランナーズのルーシーの動画を見せれば簡単に分かってもらえる。ニューロ自身がどんなことをやっているかを知りたいというのなら、2077のプレイ動画を見せればいい。



 この「2077の存在によってイメージが掴みやすくなった」というのは、トーキョーN◎VAにとってかつてないほどのアドバンテージだ。それに、本当に個人的な意見を言わせてもらうなら、エッジランナーズ的なストーリーを再現するならサイバーパンクREDよりN◎VAの方がやり易いと思うし……。