このパズルがやってて一番心折れる気がするな……。
何故トランプではなかったのか
ファーイースト・アミューズメント・リサーチ ゲーマーズ・フィールド別冊40 特集 TRPG EVOLUTION ~進化するTRPG~
- 発売日: 2020/10/02
- メディア: 単行本
わたしは、「何でこの判定方法(引用註:トーキョーN◎VAのトランプを使った判定方法のこと)を誰も真似しないんだろう?」って、三〇年間不思議に思ってるよ(笑)。(7ページより)
鈴吹社長がそうおっしゃるのであれば、私も21年来不思議に思っていたことを書いておこう。
「どうしてブレイド・オブ・アルカナの判定にトランプを使わなかったんですか?」と。
これは、ブレイド・オブ・アルカナの発売前、秋葉原のイエサブでテストプレイをした時からずっと疑問に思っていたことだ。発売前のブレカナのイメージは「ファンタジー版のN◎VA」で、実際N◎VAと同様、タロットカード(大アルカナ)をモチーフとするカードをゲーム中に使用する。それなら判定にも小アルカナ(トランプ)を使う方がしっくりくる。アリアンロッドなど他のゲームに比べれば演出重視だし、インタビュー中で言われるような「物語をシミュレートする」度合いも高い。
だから、最初に「ブレカナは判定にダイスを使う」と聞いた時、正直困惑した。カードを使った上方判定のN◎VAと違い、ダイスを使った下方判定であるブレカナ、特に初代は割と簡単に詰みの状況が作れてしまう。アダマス(騎士)が防御をクリティカルで成功させると、攻撃側がどんなえげつないコンボを組もうが弾かれる。このゲームはコンボに代償*1が必要となるため、あっさり跳ね返されると攻撃側としては厳しい。
また、トーキョーN◎VA The Detonationのルールブックを覚えている方ならご記憶にあるかもしれないが、実はDetonationのルールブックでは、ルールはコアシステムとN◎VAシステムの二つに分けられていた。システムの基礎になるのがコアシステム、N◎VAという世界で遊ぶために必要なオプションルールがN◎VAシステムだ。コアシステムにはトランプでの判定も含まれる。その位置づけはこうだ。
逆にコアシステムは、『トーキョーN◎VA The Detonation』 以外のTRPGでも運用可能なルールと概念で構成されている。(ルールブック77ページより)
この記述を見た時「ブレカナは次の版からコアシステム対応になるのかな?」と思ったが、それもなかった。
つまり、私の印象では「トランプを使った判定を真似するゲームが出なかったのは、FEAR自身がコアシステムを使ったタイトルを他に出さなかった*2ために、トランプを使った判定そのものがN◎VAに固有の特徴と印象づけられてしまったせいではないか」という気がする。
私自身はトランプを使った判定が割と好きなので、トランプを使うブレカナを一度是非見てみたかったのだが……。