元が不親切だから……


 元があまりにも不親切なゲームだから、多少難易度を緩和しててもあまり状況が変わっていない……。むしろ改変点が増えることで困惑するまである。

虎馬話

www.news-postseven.com

 表現を広げてくれる便利な記号ですが、便利さを逆手に取って、『相手に察してほしい』とか『相手の提案を待つ』といった、ズルい魂胆で使う人もいるのでしょう。


 「句読点と違って厳格な運用ルールがない」と書いておきながら、「ズルい魂胆」とまでいうわけ? 直近の自分のブログからの引用だけど──

 この作品1巻から読んでるんだけど……これ、もう姫様的には魔王と組んで人類滅ぼす選択肢しかないっていうか、例えそうなったとしても闇堕ちと言われないんじゃないかっていう(笑)。


 この三点リーダに「察して欲しい」なんて意図は全くない。この三点リーダは「1巻から最新刊の5巻までずっと読んでいる」という「時間の経過」を意味しているだけ。そういう使い方する人も、結構いると思う。これが「誤用」だというなら直すのはこちらだが、ルールがないと断言しておきながら勝手にルールを押し付けてくるのはどうなんだ。
 なお、ウィキペディアの記述はこんな感じ。

時間の経過、静寂
会話の中で無音の状態(間)を表す。
(例)「なるほど。……そうなのか。」
余韻、感情
文の末尾で余韻を感じさせる。
(例)そして、山へ向かった……。
長音
歌詞における、長い長音で用いる。
んの長音で用いる。
(例)ん……
省略
引用で文の一部を省略していることを示す。
(例)書籍には「彼女が……考えた」とある。
記号
図や表で項目をつなぐ記号として使う。
(例)バナナ………2本/リンゴ………5個/ブドウ………1房


 私も三点リーダを使いすぎていると自戒することはあるけど、用法としては一番上の時間経過に近い使い方、それと、あえて記事中の言葉を借りるなら「はっきり書くと角が立つ」場合に語尾を曖昧にしているだけだ。記事の指摘する2番の用法についても、この用例を見るだけでも「相手に判断を委ねる」などという意味は全く含まれていない。勝手に決めつけるのは視野が狭すぎる(本来こういうところも断言しない方が角が立たないと思うが、著者がそれをお望みでないようなので)。
 なお、この主張がいかに間違っているかは、記事後半の用例、『大変だよね…!(汗)』『どうする…?』『やってもいいけど…』から三点リーダをすべて削除してみてもわかる。『大変だよね!(汗)』『どうする?』『やってもいいけど』──当たり前だが、どの例も三点リーダを付けようが付けまいが意味も責任の所在も全く変化しない。この記事の筆者や石原氏はこの返答でご満足なのだろうか。よしんば三点リーダに「察して欲しい」という意味が含まれていたとして「やってもいいけど田村夕子(仮名・38才)の態度が気に入らない」とはっきり断言されれば、田村夕子さん(仮名・38才)は納得できるとでもいうのか。
 「手紙のように丁寧に言葉を尽くせば」とかいう専門家に至っては論の外。LINEやTwitterで一々丁寧に経緯を書く人間がどこにいる。コミュニケーションツールとしての特性を全く理解していない無責任な意見だ。

 そもそもなぜこんな記事に私が腹を立てているかというと、私のトラウマをズキズキ刺激するからである。

とあるゲームの思い出

 といっても、大した話があるわけではない。
 昔、とあるTRPGのセッションをやった時、シナリオ上の小道具として依頼人からの手紙を登場させたことがある。ところが、プレイヤーの一人が「依頼人からの手紙に三点リーダが使われているのはおかしい」と言い出し、議論が脱線して無駄な時間を20分以上費やしたことがあるのだ。他のプレイヤーまで付き合わせてしまい、本当に申し訳なかった。
 しかし私が本当に辟易したのは、このプレイヤーが、仲間内で読む会報に載せたリプレイにこのやり取りをそのまま掲載したことである。

 そんなわけで、三点リーダの使い方についてあれこれ指図されるのは、私のトラウマなのだ。当初の話から逸れてしまうので今日はここまでにするが、気が向いたら続きを書こうと思う。