終わったから始める


 先日ちょっと記事で触れた「パスファインダーRPG」を購入した。「お前散々腐しといて……」と言われるかもしれないが、やっぱり何だかんだいって、私はダンジョンズアンドドラゴンズが好きなのだ。
 後は逆説的な話で、展開が終わってしまったのは残念なんだけど、それ故にこれ以上手を広げずに済むというか、2冊買えば全部をカバーできるということが分かれば買いやすいというのはある。ただ、新刊で置いてる店がなかなかなくて、探すのが大変だった。これは展開が終わってから買うというトンチキなことをしている私が悪いんだけれども……。

 で、買って読んでみて改めて思ったけれど、本当に基本ルールには背景設定の記述がない。この間自分の記事で書いたことが裏付けられたというか、実際に読むまでは、コアルールブックのどこかに背景設定の記載が少しはあるかもと思っていたが……。モンスターとかは独自のものがある程度いるので、ベスティアリィから他のファンタジー世界に登場しないモンスターを出していけば、ある程度差別化は図れるかもしれないけど。
 ルールブックとベスティアリィの2冊だけでは、パスファインダーならではというキャンペーン、あるいは本来の背景世界であるゴラリオンでのキャンペーンができないので、じゃああと何でやるかというと、D&Dの3.5版でワールドガイドが出ていたグレイホークでやるか、フォーゴトンレルムでやるかのどちらかくらいしか思いつかない。
 エベロンは恐らくキツい。というのは、エベロンにはドラゴンマークやアーティフィサーといった「魔法を使った科学者」みたいなクラスがあって、それが背景世界の個性となっているが、そのクラスがパスファインダーには存在しない。実は、次の版には出てくるらしいが、日本語環境はそこまで辿りつかなかった。
 いずれにしても、D&D3.5版の基本ルールブックがあればわざわざパスファインダーを取り出して遊ばないよな、という話になる。

 結局、最初の危惧が現実化してしまったっていうところなのかもしれない。つまり、海外では需要があるタイミングでちょうど登場したのでニッチに入り込めたけれども、リリース日が遅れた日本では、ちょうどその穴が埋まったタイミングで発売することになってしまった。そういう意味ではタイミングが悪すぎた。
 一つだけ、ダンジョンズアンドドラゴンズと違う売りがあって、それがオープンソースを標榜していること。このため、ネット上にそのルールを順守したサマリーが上げられていて、恐らく著作権上も問題ないという話なのだと思う。だから、ルールブックを持っているのが限られた人間しかおらず、ネット環境を中心にダンジョンズアンドドラゴンズ系のゲームがやりたいという人の場合には、パスファインダーが向いているのかもしれない。いずれにしても、背景世界がないというのは大きなハンデだと思うが……。逆にいえば、これであとワールドガイドだけ出ていれば、あとは遊ぶ側で広げていくことも可能だったのだろうけど。

またこの人

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 著者もツッコんでる人も両方岩崎っていう名前なんで分かりづらいんだけれども、著者の方の岩崎氏はもしドラの人で、昔からツッコミどころのあることを書いては、わざとツッコまれて話題性を上げるみたいなスタンスの人だから、書籍の内容は言わずもがなというところ。ただ、指摘している人がいるとおり、この本は児童書のところに置いてあるというのがどうかと思う。自分の記事はオープンソース的なもので、みんなでアップデートしていければいいなんて考えているのであればネットのどこかにでも無料で上げてればいいのであって、子供向けに裏付けのないことを書くっていうのはちょっと看過しがたい。
 一応私もこの本を読んだんだけど、同意できたのは「ガチャはゲームではない」という一文くらいかな。そこだけは押さえるんだな、と思った。後はもう私程度の知識でも突っ込めるぐらいのレベルなので推して知るべしという感じ。
 まぁ、ツッコんでる岩崎氏の方も、リンク先で貼られてるみたいにアレなことを書いてツッコまれてるので、どっちもどっちという気もしなくもないが……。


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