最高のクリスマスプレゼント


 今回、ブレイド・オブ・アルカナの新ルールブックがに発売になったのは、文字通り神采配だと思う。実物を見るまでは今一つ半信半疑だったけれど、最高のクリスマスプレゼントだった。なんと400ページ以上の大ボリュームである。
 ブレイド・オブ・アルカナというのがどんなゲームかご存知ない方向け、あるいはソード・ワールドなどのメジャーなTRPGとどこが違うのかという視点のエントリは明日以降に改めて書く。今日はブレイド・オブ・アルカナというゲームを知っている人向けの情報である。
 まず、時代設定は無印のブレイド・オブ・アルカナの時代まで戻っている。つまり、まだハイデルランド王国の国王がヘルマン1世の時代の話だ。ヒルデガルド王女の兄はまだ逆光を浴びていないし、ガイリング2世は侵略戦争の真っ最中である。ディアスポラのアルダは「ロマールの呪い」を散布しようと虎視眈々と狙っているし、ゲオルグ・シュローダーもまだ健在で、魔剣カーネイジも恐らく彼の手元にある。そして何より大事なこととして、添付シナリオのマローダーはあのザムエルである(笑)。
 時代設定だけを初代に戻し、ゲームシステムや戦闘バランスなどは最新作に準拠したものになっている。奇跡については戦闘中とそれ以外で場合によって、効果が異なるという設定になっている。逆位置などの設定はない。またルールの範囲としては、旧作の基本ルールブックの範囲だけではなく、ロード・オブ・グローリーで追加されたフルキフェル用の異種族はもちろん、その後の版上げで追加された種族なども選択できるようになっている。

 
 とにかくルールブックが発売されたこと自体が僥倖であり、手放しで喜ぶべきことなのだが、初見の印象としては、400ページという大ボリュームなので因果律データも掲載されているのかと思ったら、大半は最新作準拠の特技データだった。
 ハイデルランドの背景設定については、ランド・オブ・ギルティほどのボリュームはない。NPCについても一通り名前が出てくるものの、イラスト付きのNPCの数は旧作より減っている。
 しかし逆にいうと気になるのはそれくらいだ。
 後書きにはこうある。

 正直、司馬さんが亡くなった時には『ブレイド・オブ・アルカナ』の展開はもうやめようと思っていた。思い直したのは、それでも多くの方に「遊びたい」とメッセージをいただいたからだ。司馬さん、もう少し続けることにするよ。遊びたいという人がいる限り。

   ──ルールブック423ページより


 届いたかは分からないが、私もメッセージを送ったつもりの一人である。またこうしてブレイド・オブ・アルカナに再会できたことは嬉しいし、是非今後ランド・オブ・ギルティやチェインズ・オブ・フォーチュンへと展開が繋がってほしいと願っている。