アドベンチャーゲームの双璧だった


 デゼニランドサラダの国のトマト姫は、当時話題になっていたアドベンチャーゲームの双璧だったように記憶している。
 ……後者がファミコン移植されたのに、前者がされなかったのはつまりそういう事情だったんだろうな……。

先日のエントリの続き


 忘れないうちに先日予告したブレカナの記事を書いておこう。「複数の時代にまたがったキャンペーンの進行方法」についてである。もっとも、慣れている方には改めて言うまでもないかもしれない。また、先日のエントリと同様、これから書くことは私個人の意見であり、公式には見解が示されていない内容も含むので、その点はご了解いただきたい。
 まず最初に、結論から書こう。

1.ブレイド・オブ。アルカナで複数の時代にまたがったキャンペーンを進行する場合は、ゲーム内での時間経過に関わらず、実際にセッションをした順番に従ってルール処理するべきである。

2.1によって生じたPCの設定の矛盾は、必ずしもGMが解消する必要はない。

 1つずつ説明していこう。ゲーム内の時間進行ではなく、実際のセッションを行った順にルール処理するというのは、経験点の扱い、あるいは死亡や殺戮者(マローダー)化によって、PCがセッションから脱落することについての扱いの話である。


 例を挙げると、第1シナリオがハイデルランド歴1070年、第2シナリオが10年遡って過去1060年、そして第3シナリオで再び1070年、というキャンペーンがあるとする。この時、第1シナリオに参加したPC①~PC⑤が若い時に起きた出来事ということで、同じPCを使用して10年前のシナリオを行った場合、経験点を使用していると「時間を遡っているのに強くなっている」という事態が起こる。あるいは、過去の第2シナリオでPCが死亡、あるいは殺戮者と化した時、第1シナリオに参加したPCは一体何だったのか、というのも主に矛盾として発生する。
 しかしGMはこの矛盾を敢えて無視して良い。ゲーム内の時系列に従ってではなく、実際にセッションを行った時系列に従ってルール処理をする。「このPCはゲーム内でこの後の時代にも生存しているのだから、このシナリオで死ぬ/殺戮者となっているのはおかしい」と気にする必要はない。


 そして2番目。ここで生じるPCの設定の矛盾については、GMは辻褄合わせをする必要はない。プレイヤーから見ると、その(ゲーム内時間で)後の時間で「生きているはず」のPCが、過去の時間にさかのぼって死んだり殺戮者化したのであれば、GMにその矛盾を説明づけてほしいと思うかもしれないが、その辻褄合わせをするのは、基本的にはプレイヤーであるべきだ。
 これは、鈴吹社長が過去に動画で言及していた「相当品について矛盾が生じた場合、演出はプレイヤーが考えるべき」という考え方を援用している。時系列によって生じる矛盾の解消も、相当品と同様、キャラクターの設定の一部、つまりキャラクター作成の一部だからである。



 では、実際そういった矛盾が生じた時、プレイヤーとしてはどういう演出が考えられるだろうか。


1.PCは転生体である

 死んでしまったPCが、転生体として再登場するものである。これは、最新版では記述を見つけられなかったが、前の4版には「輪廻転生」ルールとして存在する。死亡したPCの半分の経験点を使って次のPCを作るというルールだ。その代わり、前のPCの「未来」に設定していたアルカナを、いずれかに持たなくてはならない。なお、転生は時間に縛られない。繰り返しになるが、仮に次のシナリオが「過去」だったとしても、引き継がれるのは「未来」のアルカナだ。
 新版に輪廻転生に関するルールがなかったとしても、ハイデルランドに転生という概念そのものは存在する点は変わらない。経験値は使えない代わりに、アルカナの縛りもない。
 ただし、いずれの場合でも、フィニスのアルカナを持つPC、殺戮者となったPCは転生できないため、除外される。


2.PCは遺志を継ぐ後継者

 例えばクレアータだったら同型機とか、同じ境遇で育った仲間とか、親兄弟などの縁者とか。こちらであればフィニスや殺戮者となったPCの後釜でも使える設定だ。「闇に消えた祖先の不名誉を雪ぐ」なんていうのはいかにもありそうだ。

 「PCが時間を遡って死んだ場合、1や2で説明がつくか?」と思うかもしれないが、例えばこうだ。1070年の第1シナリオに参加したPC②が、1060年の第2シナリオで死んだ場合。1070年の第3シナリオにPC②の転生したPC②´が参加するとしたら……実は第1シナリオに参加していたのもPC②ではなく、PC②´だったのかもしれない。他のPCは皆PC②だと思って接していたが、最初からPC②´だったのだ。


3.しばらく実戦を離れていて弱くなった/実戦の勘を思い出して往年の強さを取り戻した

 時系列を行き来する際に経験値の使用状況について説明をつけるときに使える設定である。


 そして大事なことは、これらの設定は、プレイヤーとしても「絶対に矛盾を解消しなければならないわけではない」ということだ。「不思議だが今はこうなっているのだ」という以外、一切説明しなくても別に構わない。大事なのはPCの設定がGMの指定するハンドアウトに沿っているかどうかだ。

 逆に、GMから見て「キャンペーンで重要な設定だからPCが死んでも引き継いでほしい」(暗天節のPC1のように)と思うなら、ハンドアウトに「このPC1は前のシナリオのPC1の生まれ変わった存在である」と明記すればよい。ハンドアウトに従ってPCを作れば、自然と設定を引き継ぐことになるからだ。
 ただ、そんな場合でも、殺戮者と化したPCを転生させるようなハンドアウトの指定は避ける方が望ましい。殺戮者には転生による救済は存在しない。ルール的には、PCが殺戮者になる方が、PCが死亡するよりペナルティが重い。これはブレカナの設定の根幹である。キャンペーンの設定を捻じ曲げてでも、この部分だけは守るべきだと私は思う。