突然視界に入ってきた


 昨日紹介した動画でも使われてたけど、最初猫か何かの動画かと思って開いたら独特のテンプレートに従った動画で「???」となり、しかも1本再生したら、お勧めが一気に似たような動画で占領されていた。
 いったい何だろうと不思議だったのだが、この動画を見て理解した。私はTikTokを見ていないので、TikTok初のムーブがわからず、ある時突然YouTubeに独自のテンプレートを持った作品が流行りだしたように見えたのだ。可愛いパーツもあるけれど、微妙に生理的な違和感を覚えさせるパーツもあり(猫が口をパカパカやるのはホラーっぽいし、何かをガリガリ噛む音も猫の餌を食べている音に聞こえない)、海外初と言われると納得できる部分も多い。

ロールアンドロール掲載シナリオ「七度目の鐘の音」


 今回は小話ではなく、ロールアンドロールに掲載されたブレイド・オブ・アルカナのシナリオについて思うところを書く。どちらかというと、ブレカナに詳しくない方向けだ。

 ハンドアウトでアルカナの指定がされているのがPC4のフィニスだけというのがちょっと驚きだが、これには理由がある。サンプルキャラクターの指定があるのだ。サンプルキャラクターには背景情報が付属しているため、それと矛盾しないハンドアウトになっている。従って、もしサンプルキャラクターではない自作のPCを使う場合は、ハンドアウトを受け取った時点で、ここに書かれている設定がPCの設定となる点に注意だ。
 例えばPC1は「妹がいて、かつ両親はもういない」という設定なので、PC1のハンドアウトを受け取っていながら「存命中の父親と仲が悪い」という設定はできないし、高齢のPCを設定すると、妹と年齢が離れすぎているのが不自然になるかもしれない。
 PC2は「友人の司祭を助ける」という設定になっており、例えばルナ(暗殺者)で冷酷非情というような設定があったりすると、友人を助けるというシーンと矛盾を起こしかねない。
 PC3はもっと分かりやすく、ハンドアウトにはっきりと「聖グラウディシア騎士団のメンバー」と書いてあるので、これに反する設定はできない(ただし、聖グラウディシア騎士団は人材が多彩で、騎士とはなっているが必ずしもアダマスとは限らない)。そしてPC4は唯一フィニス、つまり不死者が推奨されている。
 FEARのゲームではよくあることだが、PC5が最も縛りが緩く、シナリオ中に登場するNPCとの繋がりも比較的薄い。従って人数が足りない場合はPC5を省くことになるし、次に省くのはPC4になるのが定番なのだが、実は物語的なつながりでいうとPC4よりもPC3の方がシナリオとの接点は少ない。
 ただ、それでもPC3の方が優先されている理由は、恐らくサンプルキャラクターの能力的な理由ではないだろうか。PC3のサンプルキャラクターがアルドール・アダマス・マーテルで、「完全防御」と「復活」の“奇跡”を1人でカバーしているからだ(ちなみに他のサンプルキャラクターはフリー枠、あるいはコピー系以外これらの“奇跡”を持たない)。
 なお、基本ルールブックにサンプルキャラクターが5人というのはちょっと少ない印象だ。個人的にはできれば10人ほどは欲しい。だからというわけではないだろうが、本誌の記事でサンプルキャラクターが公式に募集されている。恐らくサプリメントで(デミヒューマンである「フルキフェル」を含めた)サンプルキャラクターが追加されるのだろう。


(以下、GM向けの情報のため軽微なネタバレあり。ストーリーのネタバレはなし)












 このシナリオ全体を読み通すと、いわゆる情報収集である「事情通判定」をするところは1箇所しかない。私が以前ソードワールドのシナリオで「情報収集で判定がする箇所が1回は少ない」と書いたことを考えると「あれ」と思うかもしれないが、ここがブレイドオブアルカナというゲームの特色だ。
 基本的に、シナリオ上打ち倒さなければならない相手である「殺戮者」は、PCに対して自分がやっていることを隠さない。このシナリオの冒頭に「悪徳シーンが3回」と書いてあるが、これはPC達に対して「殺戮者はこんな悪行を働いているのだ」というアピールをするシーンがシナリオ中で3回あるということだ。
 これは情報収集の成否に関わらず、必ず敵側がPCに対して行うものであり、情報収集判定に成功すれば4回、失敗しても3回、敵について知る機会があるということになる。そもそもブレイドオブアルカナの敵である「殺戮者」は、PC達「刻まれし者」の聖痕を狩り、我が物にしようとしてくる。PCは追手であると同時に獲物。そういう「運命」なのである。