実はこの事件で重要なのは……

 
 私は昔FF11をやっていた頃にこの事件の存在を知り、同じMMOだからということで(当時はまだ残っていた色々なサイトから)割と色々調べたことがある。この事件を動画で取り上げている人は何度か見かけたことがあるものの、とある重要な要素について言及していないことが多い。この動画もそうだ(コメントでは触れている人がいる)。
 それは、このマスターオブエピックというゲームは、PVPありのワールドとPVPなしのワールドではスキル構成が違うこと。上の動画では「PVPなしプレイヤーへの不意打ち、心構えの違い」みたいな視点で語られてるけど、例え事前に正確な内容が告知されていたとしても、武装が許可されていたとしても、対応は不可能だった。何故なら、PVPなしワールドのPCの攻撃スキルは「敵味方区別なし」に当たるのに対して、PVPありワールドのPCの攻撃は「敵対勢力にしか当たらない」仕様だったから。しかも、スキルの中にはPVEでしか効果がないものもあったので、そもそもまともにイベントが進行したところで「相手ワールドに乗り込んで、双方の攻撃が許可」された時点で結末は一つしかなかった。

 何故この点にこだわるかというと、この話題は、色々なオンラインゲームで「PVPが好きな人とそうでない人の感性の隔たり」みたいな流れで持ち出されることがあったからだ(DQXの闘技場とかね)。しかし、そういう問題ではない。このイベントは、主催者側の完全な設計ミスであり、プレイヤーの好みや感性以前の話だ。「事前に双方に完全に仕様が明かされていて、かつイベントへの参加が完全に任意」だった時に、「PVPなしワールドのプレイヤーの参加者が非常に少なかった」とかなら、感性の隔たりの話に持っていけるかもしれないが。
 とはいえ、裏を返せば運営側も、事前に仕様を明かしたら誰も参加しないと思っていたからこそこういう形式にしたのかもしれないけれど……。
 当時はイベントのログも有志によりサイトにアップされていて読むことができたんだけど、どうもある程度は、主導したGMの独断だったんじゃないかという気がするんだよな……。事前に告知がなかったのは、その場の思い付きだったせいじゃないかっていう。というのも、私の記憶違いでなければ、イベントを管理していた別のGMが事態を把握できてなくて、プレイヤーから突き上げられているログを見たような。事前にスタッフ内でちゃんと打合せされていれば、こんな展開にならなかったんじゃないか。
 いずれにしても、もはや当時の記録すらネットの海に消えてしまうほど昔の、MMORPG黎明期ならではの出来事、という印象だ。