あったあった

持ってないゲームの攻略本買って読んでた奴www


 はっきり覚えているのはPCエンジン版「ファージアスの邪皇帝」の攻略本だ。まさに「ソフトはないのに攻略本だけ持っている」状態だった。この「ファージアスの邪皇帝」は読者参加企画からゲーム化された作品で、作者は菊池たけしさん。
 菊池たけしさんの「ファージアス」という名前に聞き覚えのある方もいるのではないだろうか? そう、菊池たけしさんのデザインしたゲームの共通設定である「主八界」と呼ばれる多元宇宙の第八世界、ナイトウィザードの舞台となる「ファー・ジ・アース」と同じ名前なのだ。「ファージアス」の英語表記は攻略本の裏表紙のイラストにはっきりと「Far The Earth」と記されている。
 当時、同じ読者参加企画である「セントプリンセス」や「エイスエンジェル」の設定が主八界の設定にフィードバックされたため、TRPGの設定資料集を買うようなつもりで、慌てて攻略本を探した記憶がある。ゲームが発売されてしばらく経ってからのことだ。
 といっても、そのころまだ主八界の情報は菊池たけしさんがRPGマガジンの(何号だったか忘れたけれど)記事として書いた数ページの情報のみ。そこにあった第8世界の名前だけを根拠にゲーム資料を探したと言っていい。
 結果を言えば──菊池たけしさんが手がけた読者参加ゲームのなかでも設定がフィードバックされた作品とそうでない作品は明確に分かれ、例えば「女神天国」の設定などはフィードバックされなかった。第8世界の設定も「ファージアスの邪皇帝」のサイバーパンクファンタジーっぽい世界(雰囲気的には第5世界エルフレアに似ている)ではなく、ナイトウィザードで一新された地球そっくりの世界となった。よって「ファージアスの邪皇帝」は現在、TRPGの資料としては全く役に立たない(今にして思えば、版権が絡んでいたのかもしれない)。
 とはいえ、あの頃は「冬」に差し掛かりつつあった頃であり、今のようにセブンフォートレスを通じて主八界のサプリが出版される日が来るなんて、本当に夢にも思っていなかった。ナイトウィザードで「ファー・ジ・アース」の名前を見るたびに、私は結局一度も使うことがなかった攻略本のことを思い出してしまう。