始まりはゲームボーイではなく


 さて、ゲームオン会場に赴いて一番の収穫だったのがこの本だ。
 据え置き機版と携帯機版の二冊があり、衝動的に携帯機版を手に取ってしまったものの、本来の意味でゲーム機の歴史を紐解くなら据え置き機版を買うべきだったと後になってから気付いた(笑)。
 というわけで、あくまでも携帯機の歴史なので、この本の1ページ目はゲームボーイから始まる──訳ではなく、あの伝説のゲームポケコンから始まっているわけでもない。この本の最初に書かれている携帯機は“ゲームウォッチ”である。しかし、前にエントリで紹介した腕時計型などには触れられていない。あくまでもゲーム専用機を取り上げるというスタンスなのだろう(電子ベースボールゲームの類には触れられている)。
 レトロアイテムとしては定番で、もう新しい情報などないと思っていたゲームウォッチだが、ゲームオン会場にもあった「パノラマスクリーン」「クリスタルスクリーン」などの派生機の存在は全く知らなかった。しかも中古市場ではかなりの高値がついているという。確かにこの透過スクリーンには惹かれるものがあるが……。


(確かにアマゾンでも定価の8倍の値が付いている)


 そしてゲームポケコンときて、本命ゲームボーイである。ゲームボーイについてはあちこちで語り尽くされており、新たに知ったこととしては「ゲームボーイグラディウスがネメシスなのは知ってたけど、ダライアスサーガイアだったのは知らなかった」というくらい。
 その後PCエンジンGTにページが割かれているのはいいが、ソフトはHuカードが使用できるという面から据え置き機と見なされたようで、他のハードにあるソフトの一覧がなかったのは残念だった。
 コラムで「外国人は家が大きいから携帯機を使わない」みたいなことが書かれていた割に、海外産ハードはそれなりの数が紹介されている。フィンランド製のN−gageなんて、ノキアだから携帯電話がらみのハードなんだろうけど、画面写真では明らかにKOF99らしきソフトが動いており(まさかエミュレータではないよな!?)、日本のフィーチャーフォン以上にスマホライクなハードが作られていたことになる(製造年は2003年となっている)。


ノキア(nokia) N-gage用ソフト CRASH NITRO KART

ノキア(nokia) N-gage用ソフト CRASH NITRO KART


 最後、比較的新しいゲーム機の章でDSliteが紹介されており、その圧倒的な販売台数に改めて驚愕。PSPソフトの売り上げトップ4が全部モンハンなのにも驚いたが……。そして、PSPgoが市民権を得られなかったという一文にちょっとホロリと来た。いいマシンなんだけどなぁ……。