ちょっと前に「昔、プレイグループで遊んでいたトーキョーNOVAのハウスルールを紹介する」と書いたまま、今までずっと来てしまった。しかし、年末までに発売される新サプリメントで「アストラルに関する新しい遊び方を公式が提示する」とのこと。話を聞く限り、当時遊んでいたハウスルールと内容が被る可能性がなくもない。昔話をするのに、後出しで内容が被るというのも情けない話だ。大したハウスルールではないにせよ、少なくとも先出しはしておかないと、ということで、今回急いで書くことにした。といっても、この手のハウスルールは、GMをやったことがある人なら結構自作したことのある人は多いのではないだろうか。
もし、今回のエントリを見て「あれ? このルール見覚えあるな」と思った人がいたら、私の昔の知り合いかもしれないので、見なかったふりをしてほしい(笑)。
今回は特に辛口のエントリではないのだけれど、ちょっと恥ずかしいので一応折り畳むことにする。
このハウスルールのコンセプトは大きく2つ。
1つは「トーキョーNOVAのシステムでスチームパンクをやる」というもの。
「テラ・ザ・ガンスリンガーでやればいいじゃない」と言われそうだが、このハウスルールを使い始めた時期(NOVA・Rのグランドクロス発売直後)にはまだ発売されていなかった。それと社長自身が言っていたように、トーキョーNOVAは世界設定がすごく個性的に見えるものの、実はシステムは割と汎用的で、オリジナルの世界設定に使い回しが利きやすかった。後にテラのルールでやってみようとしたこともあるが、世界観とルールの結び付きが強すぎて、オリジナルの世界設定ではルールが生かせない。
もう1つは「色々な種族のごった煮みたいな世界観」を再現したかった。これは、ステージのコンセプトの一つが佐藤明機さんの「楽園通信社綺談」という作品だったからだ。同作は、RPGマガジンの「蒼穹の都ヘブン」という連載記事を通してTRPG化される予定だったが、結局発売されなかった。それならNOVAを使って、オリジナルの世界設定で似たようなものができないか、というのが目標だった。
具体的なハウスルールは以下のとおり。舞台がスチームパンクということで、いくつかのスタイルについて特殊な扱いをしていた。
まず一番大きなのがニューロで、「コンピューターがない世界」ということで選択不可とした。その代わり、マイナスナンバーの「アヤカシ」が「世界」の暗示のカードになる。
それと「舞台が鉱山都市で道路がほとんど整備されていない」という設定だったので、カゼも選択不可。代わりに、掘削機械を改造したウォーカーが移動手段や兵器として使われている。というわけでマイナスナンバーの「アラシ」が「戦車」を暗示するカードになる。
アヤカシとアラシ以外のマイナスナンバースタイルは、PCとしては選択不可だが、ヒルコが特殊な扱いで、ダブルクロスでいうところの「ジャーム」にあたる。舞台となる世界は科学と同様、バサラやマヤカシの使う魔法も技術として発展してきた世界なのだが、魔力を取り込みすぎると暴走し、自我を持たない怪物になってしまう。そうなるとヒルコにスタイルチェンジし、NPC化する、という設定だった。
また前述のアヤカシについて、「○○の一族」の特殊技能が習得必須技能だった。つまり、すべてのキャストは必ずアヤカシを最低1枚持っていることになる。これが「様々な種族のごった煮」の部分を表していた。
さらに、前に書いたことがあるが、3枚のスタイルが「ペルソナとキーとシャドウ」ではなく、ブレカナの「過去と未来と現在」を暗示するというハウスルールだった。
この扱いからもわかるように、この世界ではいわゆる純正の人間はPCとして使用できない。この世界は過去にアヤカシと人間の大きな戦いがあってアヤカシが勝ち、人間が追放された、という世界設定だった。テラ・ザ・ガンスリンガーでいうところの貴族(イモータル)とか、そういった位置づけだ。
スタイル以外の変更点としては、スチームパンクなので、アイテム種別のうちサイバーウェアとトロン、ヴィークル、ドラッグについては購入不可とした(ウォーカーは可)。チャクラの縮地も強力になりすぎるので習得不可。結果的に「基本的に全てのキャストがアクションランク2、もしくは「レンの水晶球」を持ってアクションランク3で殴り合うという環境だった。
ここまではルーラーである私の作ったハウスルールだったが、もう一つプレイヤーからの強い要望で採用したハウスルールが「敵も味方も神業は一切使用できない」というものだった。「データジャンキーが試行錯誤したデータを使って、ゲストを気持ちよく殴る」というのが基本的なプレイスタイルだったので「経験値を稼いで成長させたキャストがゲストの神業一発で殺されるというのも、逆に自分が持つ神業で強力なゲストを一発で狩れるというのもカタルシスがない」と、かなり強硬に反対された。トーキョーNOVAのハウスルールとしてはかなりイレギュラーなルールだとは思う。
こちらのプレイグループは、当時メインで所属していたプレイグループと違い、TRPGのルールについて詳しかったり、他のゲームを遊んでいるメンバーはほとんどいなかった。本当に「遊んでいて楽しいかどうか」という観点しかなく、そういうメンバーだからこそ私も好き放題ハウスルールを採用できたというのもあるので、プレイヤーの要望も最大限拾った感じだ。
このハウスルールを使い、数十回はセッションした記憶がある。あまりにもハウスルールの度合いが強く、経験点チケットは外に持ち出せないと思い、そのキャンペーンで完結するような形でプレイしていた。
元のトーキョーNOVAとの大きな違いとして、ポケットロン、つまり携帯電話がないので、離れたところにいるキャストと連絡を取る手段がないことが挙げられる。他のPCとコネを持っていても、電話一つで来てもらうということができないので、そういったところは演出とかシナリオの展開にも結構大きい影響を与えていた。
ただ、そういった細かい部分を除けば、十分再現はできていたと思う。何よりNOVAシステムの偉大さを実感したのは、このハウスルールでは一切「ルールの追加」をしなくて済んだことだ。既存のルールの不要な部分を外していくだけでプレイできたのは、バランス面から見ても非常に気が楽だった。
ルーラーとしては、色々なゲームのシステムや世界観の好きなところを切り刻んで鍋にブチ込んだ感じで、やりたい放題できて楽しいキャンペーンだった。似たような感じで、トーキョーNOVAのルールを使い、現代もので遊んでいた人もいたと聞いたことがある。ハウスルールを採用して遊んでいた人は、当時はそれほど珍しくはなかったんじゃないだろうか。これもNOVAの懐の深さを表していると、当時は感心していた記憶がある。
逆にいえば、これだけ汎用性の高いルールであれば、ダブルクロスのようにステージ集のような形で様々な世界観を再現することもできそうに思えた。それが想像していた方向性ではなく、トーキョーナイトメアのような形で結実したのは、意外といえば意外な展開だった、と言えるかもしれない。




