聖痕の秘密とは?


 さて、今までのブレカナのエントリで、私は何度か「聖痕の秘密」という表現を使ってきた。
 では、聖痕の秘密とは、具体的にどんなものなのだろうか?
 実は、前にも書いたが、その答えはルールブックには書かれていない。


 聖痕とは何か、ということについては、既に明らかだ。闇の鎖と戦った22人の使徒(神)の体の破片であるとされる。それを身に宿す人間は、神々のごとき奇跡の力を操ることができる。刻まれし者や殺戮者が死ぬとその破片は天に還っていく。刻まれし者が戦うのは全ての破片を天に還すためである。
 また、刻まれし者と殺戮者の関係がどのようなものか、ということについても、不明な点は特にない。
 すると、聖痕について抱く疑問とは「刻まれし者と殺戮者が全員死ぬまで戦いは終わらないのか?」とか「両者の戦いが始まって幾星霜、世界全体から聖痕の数はちゃんと減っているのか?(その成り立ちを考えれば、聖痕の総数は減りこそすれ増えることはないはずなのだ)」とか、ぱっと思いつくものだとその程度しかない。


 そもそも「聖痕の秘密」なるものが存在するのは、プレイヤーにとって聖痕についてどうしてもわからないものがあるからというより、ルールブックに掲載されているNPC(フェリックス・クリューガーやオーレリアなど)の説明に「聖痕の秘密についてかなりの部分を解き明かした」だとか「聖痕の秘密を知った」と書かれている(前の版の記述だったりもするが)からだ。そう書かれている以上、聖痕には何らかの秘密があるのだろう、というだけだ。
 例えばランドオブギルティに掲載された、使徒マーテルに従う「裏切りの聖女」アルゲンティアという設定を持つPCですら「聖都」ガザロの至聖墓というマーテルの墓の位置を知っているだけで、聖痕に関して新たな情報は一切与えられない。聖都ガザロの守護者というPCも同様だ。


 しかし……刻まれし者たちにとっては救いのないことに、実は聖痕の秘密を知っただとか知っているだとか解き明かしたというNPCのことごとくが殺戮者なのだ(オーレリアが厳密な意味での殺戮者にあたるかどうかという疑問はあるが)。
「聖痕の秘密とは、知ると殺戮者と化すような『何か』なのではないか?」
 ルールブックをそれなりの回数読み込んだプレイヤーたちは、たいていそう推測するのではないだろうか。