もう10年経ったからね……

【TRPG】トーキョーN◎VAで戦闘のバランスを取るには


 NOVAの戦闘が、D&Dの脅威度のような数値でバランスが取れるようになってないのには理由がある。っていうか、デザイナー側が提示してくる数値で出す敵のバランスが取れるようになってるゲームなんて他のメーカーのゲームも含めてほとんどないと思うんだけど……(SW? ご冗談を! あのレベル表記を信じて敵を出したら大変なことになるよ!)。


 NOVA・Rの頃の話だが、経験点を全く使っていないキャストでも、経験点を300点使っているキャストに全ての見せ場を持っていかれることがないように、能力に大きな差があってもお互いの見せ場を潰し合わないようにと、前の版から敢えて残され、調整されたのが「神業」のルールだった。これは、キャスト(PC)でなくプレイヤーに対して経験点を発行する、経験点チケットのルールとの兼ね合いでできたルールだ。必ず経験値が揃っていないとセッションのバランスが取れないようでは、わざわざプレイヤーに対して経験点を発行する意味がないし、ルーラーに多めに経験点を発行する意味もなくなってしまう。経験点を使うことで参加を断られる可能性が出てくるからだ。
 だが、今では経験点チケットシステムもすっかり定着し「結果」が残って「理由」が見えづらくなったのかもしれない。
 経験値がバラバラでもいい、0でも100でも活躍が担保されるシステムであるということは、逆に見ると「経験値が0であること、あるいは100であることが戦闘バランスの参考数値にできない」という副産物を生む。経験点0のキャストが100のゲストを殺せるということは、100のキャストに対して100のゲストを出してもバランスが取れるとは限らないということでもあるからだ。


 もちろん、ルールブックにはちゃんとサジェスチョンが用意されている(愚痴っている方たちの目には見えないようだが)。XのP160に掲載された達成値上限と経験点に関するレギュレーションのルールがそれである。実際、RとDのGXまでであれば、ここまで厳しい制限を設けなくとも、キャストの最大達成値をゲストが完封してしまわないように心がけるだけである程度バランスは取れた。あとは手持ちに余裕の経験点チケットを持ってきてもらえれば、必要な能力はセッション中にどんどん追加していけたので問題はなかった。
 ただ、Dの後半になると技能ではなくアイテムで達成値をブーストしていくのが主流になり、セッション中に対応するのが難しかったり(セッション中にサイバーウェアを増設するわけにはなかなかいかない)、純粋に掲載サプリが増えてフォローが難しくなるなどの問題もあったことは確かであるが、バランスを放棄したとまで言われるほど酷くはないと私は思っている。

NOVAでダンジョン?

 あー、先に話題出されちゃったかー、という感じなのだが、実は昔(Rの初期)地元の鳥取でここで挙げられているのと似たレギュレーションで遊んだことがある。当時ゲストの神業の扱いが良く分からなかった私は、天羅における気合と同じようなものだろうと判断して「ゲストは一切神業を使えない」というルールで遊んでいた(プレイヤーから強い要望があったというのもある)。
 これはこれで、ルーラーとしてはゲスト人数を調整したり神業のバランスを考える必要がないため面白いレギュレーションだったし、今でもハウスルールとしては十分ありじゃないかと思う。
 で、舞台もNOVAではなく、ファンタジーというか、アルシャードガイアみたいな「現代ファンタジー」っぽい世界観だった。サイバーウェアがないので選択禁止にし、ニューロも使えないという世界である。まぁ、この背景世界についてはおいおい別の思い出話と一緒に書いていきたいと思う。地元の鳥取のメンバーはこのブログのことは知らないはずだが、今まで列記したレギュレーションで「ああ」と思い当たることがある人がいたら、それは私の古い友人かもしれない。


 ちなみに、公式でもかつて「カムイSTAR」というNOVAでファンタジーをやるサプリがあったので、私のオリジナルなどではないことは付記しておく。

蛇足

 前からそうなのだが、NOVAは「革命」を起こしたゲームなせいか、あるいはむしろ源流が古いゲームなせいなのか、他のゲームのスレッドに比べて「とりあえず公式に文句を言わないと気がすまない」系の人が混じる割合が大きい。なので、まとめサイトで他のゲームのスレッドと比べると雰囲気の違いに驚くかもしれない(もっと酷い雰囲気のスレッドもいっぱいあるのだが)。