これがMOD


 MODっていうと、グラフィックを変えるとか、便利機能の追加とか、消耗品が減らないチートっぽいものとかを想像してたんだけど、GTA5で警察をやる、って何……。ここまで来ると、GTA5を素材にした追加ゲームみたいだ。
 ただ、個人的にはギャングやるより警官をやってみたくはある。

契約終了だと……?

togetter.com


 面白いスレッドだなと思って読んでいたら、D&D5thの翻訳契約が終了と聞いて驚いた。調べてみたら、5th発売当初と同じ話がまた復活しているらしい。つまりWOCはライセンス料を払いたくない(自社で翻訳したい)から翻訳ライセンスを引き上げると。裁判まで起きているらしい。儲けたいと思うのは会社の方針で自由だが、問題はWOCが自力翻訳できる国のリストに日本が入っていないこと。このままいくと、日本語環境ではオフィシャルなD&Dがプレイできなくなる。


note.com


 となると、D&D愛好家にはパスファインダーが受け入れられるチャンス、と思いきや、こちらも日本語版公式HPは2020年7月から更新された気配がない。


r-r.arclight.co.jp


 今後の動静によっては、D&D愛好家にとって冬の時代が訪れそうだ。

行為判定の話1

 ところで、コメント欄でCOCの下方ロールの分かりやすさについて書いている人がいた。ダイスロールについては思うところがあるので自分のブログの過去記事を検索してみたが、書いたとばかり思っていた記事を書いていなかったことに気が付いた。
 

bit666.hatenablog.com


 COCについて「%を用いた下方ロールが分かりやすい、これに慣れると他のゲームの成功率が計算しにくい」というのがコメントの主旨だが、まさにそれこそがCOC、その中核となったベーシックロールプレイの最大の長所であり特徴だと思う(ベーシックロールプレイ以外ではギア・アンティークロードス島戦記コンパニオンが該当する)。続けて他のダイスを用いた下方ロール(下方判定)を紹介している人もいるが、3D6下方ロールなどは、%ロールに比べるとわかりにくい。ダイス目を「合計」するため、成功率の分布が平坦にならないからだ。これはブレカナのような「ダイスを複数振って一番いい目を使う」下方ロールについても似たようなものだ。
 下方ロールで一番わかりやすいのが%ロール、次がかつてD&Dが採用していたD20システム(D20を一つ振って目標値以下を出すシステム、要は%ロール÷5)だろう。

 では、分かりやすさにおいて類を見ない下方ロールを他のゲームがなぜ必ずしも採用しないか。大きく分けて二つ理由がある。

 一つは「GMの視点から見ると、下方ロールはPCの能力に拠りすぎているから」だ。登攀スキル60%を持つPCがいたら、そのPCは通常60%の確率で登攀に成功する。上るのに困難な崖なら判定をマイナス修正し、容易な崖ならプラス修正する──しかし考えればわかるとおり、「通常の崖」などというものは存在しないはずだ。なのにこのPCは「大概の崖は60%の確率で登れる」のだ。これに対し、上方ロールであればPCの能力、ダイスの目の他に目標値という状況を表す値が常に変動し得る。
 成否判定において考慮する部分がPCの能力に拠りすぎており、状況の与える影響が小さい──もちろんあらゆる判定において、状況によるプラスマイナス判定を細かく刻んでいくなら周辺の状況の与える影響を大きくできるが、それは実質%ロールのメリットを殺していることになる。
 もう一つが「成長が比較的早期に破綻する」ことだ。これはもう想像すればわかるだろう。極端にいえば、初期に40%だった射撃の命中率が、成長によって97%にまで成長したら、もはや判定させる意味がなくなってしまう。これを避けるには、初期値を低くするか、成長を遅くするかしかないが、どちらもプレイヤーから見るとカタルシスに欠ける。これも、上方ロールなら成長とともに目標値を上げていけるので、成長曲線が急でも破綻を避けやすい。
 また、下方ロールにはその性質上、上方ロールと違って「無限ロール」(達成値が際限なく上がっていく成功)がないため、一発逆転の要素に欠ける、というのも人によってはデメリットに挙げるかもしれない。

 クトゥルフ神話RPGがこれらの欠点を巧くカバーできているのは、「神話生物に比べれば人間の能力の差異など些細なもの」という設計思想があるからだ。崖を登れようが登れまいが、ナイトゴーントからは逃げられない。銃弾が当たろうが外れようが、ニャルラトホテプにとっては痛くも痒くもない。そういう世界観だからこそ、細かい数値の破綻など無視できる。
 実際、同じベーシックロールプレイでもファンタジーRPGであるルーンクエストはかなりキツいゲームである。成長速度を抑え、初期能力を低くする方向で破綻を避けているゲームだからだ。CD&Dならネームレベル(レベル9)に達し初期HPの十倍ものHPを獲得するほど数々の冒険を踏破しても、ルーンクエストでは相変わらず雑魚モンスターの槍の一撃で死ぬ可能性が消えない。もちろん、それこそがリアリティであり、そここそが楽しいというプレイヤーを否定するつもりはないが。

 もちろん、これらの欠点を踏まえてなお、分かりやすいという下方ロールのメリットは大きい。下方ロールと上方ロールはどちらが優れているというものではなく、それぞれの特徴を踏まえてゲームシステムごとに採用の可否が決まるもの。判定方法も含めて、そのゲームの「面白さ」の一部なのだ。