守りの盾が効かないとは


 この新ステータス異常(?)のテンションダウン。守りの盾の効果がないのがキツいんだよな。ここまで効果が大きかったとは……。全体バフ武器で対応と言われても、手元にあったかどうか……。

NOVAの昔話


 昨日の話の補足である。

司政官の怖い話


 1点目は司政官の話だ。今のトーキョーNOVAでは、行政機関のトップとして司政官が存在するのは当然のように受け入れられている。しかし、レボリューション(R)が出た当初は、その存在に違和感を抱いたプレイヤーが多かった。私もその1人である。当時のルールブックには「司政官とはいわゆる市長である」と書かれており、「サイバーパンクで市長なんて」と最初は笑っていたものの、とある事実を知って顔面蒼白になった。
 私はてっきり、彼らは「軍の進駐に乗じて、どさくさ紛れにNOVAを支配しようとやってきた部外者」だと思っていたのだけれども、制作スタッフから「この司政官、天津昴一郎という人物は、初版のニューロデッキ(タロットカード)の「カリスマ」の人物です」と明言されたのだ。
 これは何を意味しているか。ニューロデッキはNOVAに暮らす人々を22のスタイルに分類したもの。「NOVAで暮らしていない人」はそこに含まれない。ということは、「天津昴一郎は軍の進駐とともに司政官として赴任した」とルールブックには書かれているものの、彼自身は、司政官になる前、恐らく初版の頃からNOVAで暗躍していたのだ。そして、そのことに私たちだけが気づいていなかった。NOVA軍も表舞台にこそ出ていなかったが、暗躍していたという点では同じだ。
 証拠というわけではないが、トーキョーNOVAには初版の頃からファー・イースト・インヴィスティゲーション・リサーチ(FEIR)という会社があった。「自分たちはいつも公正(Feir is Fair)だ」と言っていた、あからさまに怪しいこの機関こそ、日本の出先機関、情報部隊だった。
 つまり、Rになって軍隊が進駐してNOVAが窮屈になったわけではない。「表には見えていなかったけれど、最初から日本の支配は深くNOVAに及んでいた。そのことに気づいていなかったのは、お前たちだけだったんだよ」とはっきり告げられたのだ。
 このことは非常に衝撃的だった。しかも、これを逐一説明することなく、ただ「司政官、天津幸一郎は、初版のカリスマのカードの人物だ」と明かすだけでプレイヤーたちに暗示するというテクニックは、凄いの一言である。

総本山はやはりNOVA


 2つ目は、しつこいようだが「トーキョーNOVA以外の舞台で遊んでいる人は、本当にいなかったのか?」という話である。もし本当だとすれば、動画の流れだと「プレイヤーたちがそう遊んでいたので、ゲームの方向性を修正した」となっているが、私はこれは因果が逆なのではないかと思っている。要は、背景設定が一番多いのはNOVAである、という状況が、最初から最後まで変わらなかったのだ。
 そもそも「トーキョーNOVAの次にオーサカMOONが出て、カムイSTARが出て、最後がバベルDOOMというサプリメントだ」というのは、初版のルールブックに書かれていた話である。なので多くのプレイヤーもそう思っていたわけだが、実際にセカンドエディションの後に出たオーサカMOONは、独立したタイトルであり、NOVAのサプリメントとしては使用できないものだった。設定は掲載されていたが、それをトーキョーNOVAのシステムで遊ぶことは当初できなかったのである。
 その意味では、先日紹介したRLが、シナリオの舞台をカムイSTARにしたのは、決して偶然ではないと思う。カムイSTARはセカンドエディションのサプリメントとして発売されたので、セカンドのシステムでカムイSTARを舞台に遊ぶことができた。NOVAに次いで設定の豊富な街だったのだ。
 そしてグランドクロス以降は、世界情勢の一部としてオーサカMOONやカムイSTARの設定が紹介されるに留まる。トーキョーNOVAというゲームを通してみた時に、NOVA以外の設定が一番充実していたタイミングというのはない。つまり、一番背景設定が充実している場所でやろうとすると、必然的にNOVAになるのである。
 ブレイドオブアルカナのように世界設定が平坦に紹介されていれば、ハイデルランドのいろいろな場所を舞台にしたシナリオも考えられるし、アリアンロッドのように当初の舞台であるエリンディルに匹敵する資料が用意されたアルディオン大陸という新しい舞台が用意されるとかなら、そちらでキャンペーンを遊ぶ人もいるだろうが、NOVAは最初から今に至るまで、NOVAが中心のまま変わっていないのである。
 もちろん、これは卵が先か鶏が先かみたいな話であり、断定するのは難しい。あと、ナイトシティの例を出すまでもなく、サイバーパンクというジャンルと「街を舞台とする」というスタイルの相性がいいのも原因の一つかもしれない。