先日、テレビ放映したのを録画したまま放置していたサマーウォーズを見直した(DVDも持っているのだけど、PSPからのリモート再生ができないのが不便だったので)。
で、ついでに、買ってから積読状態になっていたコミック版の3巻を読み直した。
……これ、コミック版で補完されている情報が相当あるな……。以下、劇場版では描写されていなかったが、コミック版で説明が追加されていたシーンについてちょっと触れてみる。ネタバレなので回避する人は回避でお願いします。
・なぜ、ラブマシーンとのこいこい勝負にナツキが選ばれたか
これ、絶対省略しちゃいけないシーンだったと思うんだけど……。
先に答えを言ってしまうと「家族の中でナツキが3番目にこいこいが強かったから」。一番がおばあちゃんで二番目がワビスケだが、もちろんワビスケはラブマシーンの解体作業をしないといけないので次に強いナツキが出ることになった。
もう一つ、ケンジとしてはナツキにこいこいで勝ってもらって、こいこいで勝った時のおばあちゃんのように笑ってもらいたかったという理由もある。
・なぜラブマシーンとの勝負に「こいこい」を選んだか
ケンジが様々な手法を検討していたところ、おばあちゃんとのこいこい勝負が脳裏を過ぎり、「AIのアルゴリズムを揺るがす有効な手段、それは人の勝負運である」という結論に至るシーンがある。
・ラブマシーンは何故あらわしを落とそうとしたか
これ、本編中では「やつ(ラブマシーン)にとってこれはゲームに過ぎず、恨みや思想でやっているわけではない」とは語られるものの、肝心の理由が明かされない。
コミック版で説明されたその動機は「事態を混乱させることによって平常時では集まらない情報や権力を効率よく集める(佐久間は「食う」と表現した)こと」。確かに人工衛星を原発に落とせば未曾有の混乱が起きることは明白で、これなら納得だ。
・ナツキとケンジはその後どうした?
これについては実際見ていただくしかないが、事件が終わった後の2人の後日談が収録されている。
上記の点ばかりでなく、全体的に劇場版で説明が足りていなかったところ(栄が死んだ後、本家の大おばさんが葛藤するシーンや師匠がそれにフォローを入れるシーンが追加されてたり)に説明がされているという印象だ。むしろ劇場版の初期プロットにこれらがあったのだとしたら(1巻にそれを示唆する細田監督のコメントがある)、尺を伸ばしてでも入れるべきだったんじゃないだろうか。
まぁ、それはともかくとして、劇場版で「あそこがわからない」「どうしてあれがああなったんだ?」という人は、コミック版を読んでみると疑問が氷解するかもしれない。お勧めである。