これは……

ライトノベル作家 清水文化氏、新人賞投稿作を流用されたと発言


 今まで「気象精霊記」のイラストレーター降板問題は、編集部の怠慢とイラストレーターが暴れたせいで、作家側は一方的な被害者だと思ってたんだけど……うーん。この人、出版社とのトラブルを口にするの(私の知る限り)これで3回目なんだよね。
 発言そのものの真偽は当事者しかわからないことだけど、この作品はただでさえトラブルのせいでシリーズ打ち切りになり、熱心なファンが長いこと続きを熱望してたという状況だった。このキンドル版の表紙は、作者自身イラストを描ける人だったはずなので本人が描いてるんじゃないかな?(クレジットがない)
 そんな状況で後書きにこんなこと書かれて、しかも本人は「笑い話のつもりだった」って言われても。本当に盗用にあたると思ってるのなら後書きなんかに書かずに粛々と訴えればいい話だし、本人がいうように盗用だと思ってないのならいちいち持ち出すべきではないだろう。何より、復刊を待ち望んでいたファンに、これを読んで笑えというのはどう考えても無理筋だ。


 少なくとも、旧版を全巻持っていた私は、これを読んで新作を読む気はなくなった。あれはヘッドギアによるパトレイバーやキャンディキャンディのように、夢のタッグ/チームのコラボレーションによる奇跡のような作品であって、あの時あの場でしか成立しないもの──その「場」が失われた段階で、もう蘇らせることは不可能だったのだ。幾多の「コレジャナイ」リバイバル作品の屍を眺め、ようやく私にもそのことがわかってきた。