King of Ironfists Tournaments 7

鉄拳7 - PS4

鉄拳7 - PS4

  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: Video Game


 昨日サラッと書いてしまったが、鉄拳7を買った。そもそもPS4をいつ買ったんだ……という話はさておくとして。

 ゲーセンではひたすら豪鬼をやるくらいしかしてなかったので、買って改めて見直した最初の印象は、正直にいうと「戸惑い」だった。ゲームシステムというよりキャラのセレクションの話である。
 昨日書いたとおり前作で初登場した、それもムービーでは主役級にも思えたザフィーナがいないのが一番の驚きだった。逆に、エディのコンパチであるクリスティ、シャオユウのコンパチであるミハルが何故いないのかはすぐにわかった。それぞれ新キャラのカタリーナ、ジョシーとイメージが被りまくっているからだ。マードックが消えたのもギガースと被るからだろう。
 メジャーナンバリングのバージョンアップなので、心機一転したいというのもわからなくはないが……しかし、レイブンはなんで女性になっちゃったんだろう。
 とはいえ、私にとっての鉄拳7は95%豪鬼とギースであり、後は割とどうてもよかったりもする。


 で、そのギースと豪鬼。鉄拳のシステムと果たしてマッチするのか不安だったが、意外な方法でバランスが取られていた。


 2D格闘のキャラである二人が、他と一番違うところは「飛び道具」の存在だろう。そのまま導入したら有利すぎるし、かといって性能を弱くしたら豪鬼でもギースでもなくなってしまう。で、鉄拳の解決方法は何かというと単純だ。
 「スタート時点の間合いを短くする」──ストリートファイター餓狼伝説のスタート位置の、感覚からいうと2〜3分の1、手を延ばせば触れるくらいの距離がスタート位置であるため、開幕から飛び道具で相手を押すのが難しい。少なくとも、いきなり波動拳を撃とうとすると殴られるくらいの位置が開始点である。
 では、飛び道具はやはり役に立たないか……というと、ここから先は豪鬼とギースで事情が異なるので個々に書くことにする。極まった対戦の話とかはわからないので、あくまでも私が触ったなかでの個人的な感想ということで。

豪鬼の場合

 豪鬼昇竜拳が使いやすい。三島ファミリーの風神拳が「昇竜拳コマンドの途中にレバーニュートラル」という異常に出しにくいコマンドなのに対し、普通に昇竜拳コマンドで出せるからだ。性能的にも悪くなく、密接から出せばシャオユウの足払いにすらヒットする。
 このゲーム、相手をダウンさせられる技が限られており、仕切り直しするのが難しい(また、それを目指したゲームバランスになっている)が、豪鬼昇竜拳を当てれば幾らでも仕切り直しが利く。しかも阿修羅閃空まで持っているので、相手をダウンさせて後方阿修羅閃空で距離を取るのは簡単だ。
 が、しかし。肝心の波動拳の性能がそれほど高くない。また、ゲームシステム的にあまり距離を遠く離すことができないので、飛ばせて落とす戦術は取りにくい。また、差しあいのドサクサで出せる昇竜券の性能を考えると、わざわざ波動拳に頼る必要がないとも言える。

ギースの場合

 ギースは逆である。固有技である当て身投げは、餓狼よろしく上中下段。しかもコマンドはボタン同時押しを要求され、失敗すると邪影拳が暴発する危険がある。そもそもゲームスピード自体攻守がすばやく入れ替わりテンポも早く、当て身投げをまともに使おうとすると敷居がかなり高い。
 しかし反対に、烈風券の性能は高い。特にダブル烈風拳である。昔のシリーズをやっていた人には「リアルバウトスペシャル仕様」といえばわかってもらえるかもしれない。



 旧作のダブル烈風拳は単なる飛び道具扱いであり、弾速及び高さ以外はただの烈風拳と同じだった。しかし、リアルバウトスペシャル、リアルバウト2のダブル烈風拳はそれまでと性能が異なる。コマンド入力すると、まず左手で目の前に気の塊を作り、次に右手に気を貯めて一気に放つという二段構えの技に変わったのだ。
 何が違うのか? 初段の気の塊の段階で攻撃判定が発生しているという点である。ダブル烈風拳は、弾体が飛ぶまでは遅い。しかし、攻撃判定自体は早く発生する。このため、至近距離の差し合いで出しても、出かかりを潰されにくい。手を出すと気の塊にあたるからだ。
 このため、相手と距離を取って一方的に飛び道具で押していくとまではいかないにしても、飛び道具があるという一定の圧を相手に掛けることはできるようになっている。中距離で、相手に近づかず反撃を受ける心配もない攻撃手段があるのは大きい。
 ぶっちゃけると、高難度CPU戦でもダブル烈風拳を連打しているだけで最後まで勝ててしまう(それが面白いかは別にして)。

一美の話

 ところでこのゲーム、一つわからないことがある。ラスボスだ。アーケードモードで遊んでいると、ラスボスが豪鬼だったり一美だったりする。ストーリー的には一美なのだろうが、出現条件がわからない。どちらかといえば豪鬼が出てくることが多いのだが……。
 さて、その一美。ストーリーモードをやっていないので詳しいことは知らないが、第一印象は「羅将神ミヅキ……?」。巫女服を着ている格闘ゲームのキャラは珍しくないが、一美の場合、さらに虎を連れていて、ことあるごとにこの虎を嗾けてくる様が、なんだか羅将神ミヅキを彷彿とさせるのである。
 なお、今まで何人かの鉄拳ラスボスがそうであったように、一美もこちらが1ラウンド取ると変身する。羽が生えて空を飛ぶ攻撃があるあたりは、やはりデビルかエンジェルの関係者だと思わせるが、それより虎に背中を押さえさせて乱撃をぶち込む、豪鬼ネスイリュージョンならぬタイガーイリュージョンがずるくて強い。
 とはいえ、強さでは前作のアザゼルの強さの比ではない。やっぱり人間だからだろうか。