面白かった、がしかし……


 作者である弐尉マルコさんのちょっと癖のあるところが、いい感じに毒抜きされていて(同人版は癖なんてレベルじゃなかったが……)面白かった。しかし……(以下ネタバレありのため折り畳む)。














・最初、随分早くエンディングテーマが流れるな、と思ったら、なんと30分アニメフォーマットのエピソードが3本流れる。4カ月連続公開で12話。つまりこれは、ちょうどテレビ版ワンクール分作られている。何故テレビ版でやらなかったのだろう(サービスシーンが多すぎるからと言っている人もいたが……)。



・上述のとおりスピンオフとしては面白かった、面白かったけど……もうちょっと早くても良かったんじゃないか!? 本編公開から13年、劇場公開から既に10年が経過している。最終章最終話前と考えると今しかなかったというのもわかるけど、せめて……せめて各種スピンオフコミックが出ていた頃に公開されていれば……。もう「もっとらぶらぶ」以外の作品はみんな連載終了してしまったよ。というか、この作品の連載も相当な長期連載だよな……。何より作者自身がパンフレットで「10年経ってるしもうないかなと思ってた」と言ってるし。


・脚本が頑張って長期連載ゆえの矛盾を一生懸命解消しているけど、知ってるとあれっと思うシーンはところどころにある。劇場版直後の「他校生徒が大洗に滞在しているエピソード」があるのに、最終章でアリスが聖グロリアーナに転校したことを匂わせる台詞があったりとか。


・あと、これは製作者のこだわりなのかもしれないけど、最初のエピソードはミニペコじゃなくて上の劇場版直後のエピソードが良かったんじゃないかな、と。時系列的には恐らく一番最初のエピソードがこれだし、その後にBC学園が登場するエピソードなどを続ければ、最終章に続いていく物語なんだというのが分かりやすかったと思う。


・あ、戦車戦はないです。


・話題の「3人目の家元」は、斎藤千和さん演じる「玉田の母親」。西の母親じゃなくて玉田の母親なんだ、っていうのが設定的にもちょっと気になった。玉田流っていう言葉が何度か出てきていて、黒森峰の西住流、大学選抜(聖グロリアーナ)の島田流に対して、知波単学園の玉田は隊長になっていない。他の流派のように学園の中核を成していないんだろうか。「娘が突撃バカで困る」みたいなことを言ってたから、本来の玉田流はそうではないのかもしれない。
 しかしこの3人目の家元、パンフレットですら存在が明かされていないんだよな。全話解説がついているのに、家元登場エピソードだけ欠落していて、スタッフリストも名前が隠されている(もちろん、劇場で流れるスタッフロールには名前がある)


・スタッフロールといえば、本作を1クールアニメの3話分と考えると信じられないくらいキャストが豪華&大勢なんだよな……銀英伝かっていう。