何故そうなる

Role&Roll Vol.73

Role&Roll Vol.73


 ちょっと前にソードワールド2.0の「バルバロス・テイルズ」の紹介をした時「バルバロス・テイルズ準拠のリプレイをできるだけ早く(あの人以外で)読みたいな」と言った。
 そしたら早速ロール&ロールの最新号で「バルバロス・テイルズ」のリプレイが発表された。「お、今回は褒めよう」と思っていたんだけど……。


 なんで蛮族オンリーパーティの話なの……?


 普通に考えたら、2.0のGMとプレイヤーにとって一番気になるのは「人族のPCは蛮族のPCとどう接したらいいか、あるいはその逆」だろう。蛮族だけでパーティ組んだらそこがわからないまま終わってしまう。
 ちなみに物語は「蛮族の仲間を謀殺して、その罪を蛮族PCになすりつけようとした悪い蛮族を、他の蛮族PCたちと手を組んで倒す」という筋書きで、しかも登場する人族が「蛮族に対して友好的」というレアなスタンスに立つNPCしか登場しなかった。
 要は「蛮族を人族にまるごと置き変えてもほぼ成立し得る話」だったのだ(場所を帝国に侵略されている小国にでも変えて、アマレットを「帝国のスパイ」、ヘンリエッタを「アマレットの部下」、カッツバルゲルを「帝国将軍ハルヴァンの部下」、テオドールを「帝国貴族の息子」という構図にしてみればわかる)。だから私が前回疑問だった「人族と蛮族のメンタリティ、価値観はどう違うのか」については、まったく答えが出ていない(PCのロールプレイもほぼ人族のそれと変わらなかったし)。


 それとも、もしかして私は大きな勘違いをしているのだろうか? SW2.0の蛮族は「能力が違うだけで、メンタリティも価値観も基本的に人族と変わらない」というのが制作側のスタンスなのかもしれない。だとすれば矛盾はない。
 とはいえ、そうすると今度は、人族と蛮族が相争う理由の根本が揺らぐのだが……。