実在の人物じゃなかったのか


 これ、調べてみたら社長親子は実在の人物じゃなかったんだね。
 そりゃそうか……と思いつつ、他にも結構「え、これ大丈夫なの」っていうキャラがいた気もするが……(笑)。

「またの機会に」

 昨日のエントリを書いていてふと気づいたが、ブログを書いていて一つのエントリに収まりきらないとき、私は「またの機会に」という言葉をしばしば使っている。が、そのうちのいくつかを放置してしまっていた。昨日のエントリも6年越しだったし……。

 で、改めて過去のエントリを該当のキーワードで洗い直してみた(ちゃんと続きを書いているものは除く)。まぁ、私のブログを見て「あの時のアレの続きはどうした!」という人はいないと思うけれども……(笑)。

エンディングフェイズで相手をディスる?

 で、実際エンディングフェイズでディスられた実例を挙げていこうと思ったが、それだけでご飯十杯はいけそうな勢いだったのでそれはまたの機会に。

奇貨

 私は、シャドウランというゲームにはあまりいい思い出がなく、ずっとトーキョーN◎VAというゲームをやり続けてきた。それについては詳しい事情はまたの機会に譲るが


 この二つは、実際に書いていったら完全に特定されそうな内容になってしまい、載せられなかったものだ。
 ただ、その内いくつかは個々のエピソードとして、バラバラなエントリに書かれている。恐らく現実世界の私を知っている人のうちの幾人かは「ああ、あれのことか」とわかるはず。

D&D熱、再々々々々々々々燃くらい

 ちなみに、よくよくストーリーを見ると、敵がシャドウエルフだったり、依頼人がグラントリ公国の公子の一人だったり、知ってる人だと結構ニヤリとするネタもあったりする。これについてはまたの機会に。


 下の「ラス・オブ・ジ・イモータルズ」を参照。

有言実行

 そして、某所で各チームのエンディングを見てさらに驚愕。どこに驚いたかは……いずれまたの機会に。


 これは当時ネタバレになるのでその場では書かなかったけど、確かどれかのチームだと、エリザベートが登場してオロチかサイキかどっちかの復活を示唆するエンディングになるんだったと思う。3年経ってるし、もう時効でいいよね(笑)。

ラス・オブ・ジ・イモータルズ(神々の怒り)

 このエントリの続きである。


 「ミスタラ」は、日本で一番有名なTRPGの背景世界の一つだろう。日本で一番古いTRPGの一つであるクラシックダンジョンズアンドドラゴンズ(CD&D)の背景世界であり、かつカプコンによってベルトスクロールアクションゲーム化されているからだ。後者しか知らない人は、TRPGの背景世界であると意識していなかったかもしれないが、知らず知らずのうちにミスタラ世界で遊んでいたことになる。



 ミスタラの背景設定資料集は、CD&Dを翻訳した株式会社新和によって、ガゼッタシリーズとして一度世に出た。十数冊あるうち、翻訳されたのは1、2、5の3冊だけだった(これは以前にも書いたことがある)。
 その後、日本語版CD&Dシリーズの版権は新和からメディアワークス社に移り、翻訳はSNEが担当することとなった。メディアワークス版としては、基本ルールブック(エンサイクロペディア)、シナリオ集が3冊とリプレイ集が出版された。このリプレイは日本版オリジナルのものである。また、小説も2冊出版されている。

 ずっと前のエントリで、ミスタラ世界にはジアティスとアルファティアという2つの帝国があり、鎬を削っていると書いたことがある。この二つの帝国を専用に扱う「Dawn of the Emperors」というボックスセットまで存在する。カプコンのゲームに登場するグラントリ公国などは、それら二つの帝国に比べればはるかに小さい。衛星国家のようなものだ。



 エントリタイトルの「Wrath of the Immortals」(神々の怒り)とは、二つの帝国がついに激突し、周辺の国々を破滅に巻き込む大戦争を起こす一大キャンペーンシナリオである。この大戦の結果、アルファティア帝国は海底に沈み、エルフは半ば滅亡し、シャドウエルフという種族に取って代わられる。私が「シャドウ・オーバー・ザ・ミスタラではシャドウエルフが悪役」でニヤリとしたのは、大戦後の世界ではシャドウエルフこそが「普通のエルフ」になるからである。逆に、プレイヤーとして選べたはずのエルフは(大戦に伴う疫病によって)ほぼ消滅してしまう。


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 なお、これはシャドウ・オーバー・ザ・ミスタラの設定資料集にも確か書かれていたと思うが、同作のシャドウエルフが青銅色の肌なのはアメリカから送られてきた資料の読み誤りで、本来のシャドウエルフは抜けるような白い肌に白髪、青い眼の種族である(下記小説の表紙イラストを参照)。
 また、同作にはグラントリ公国の公王の一人(マラキー・ドゥ・マライ)がPCのパトロン的な立ち位置で登場する。それ自体は世界設定に沿ったものだが、実は帝国同士の大戦において最後の破滅のトリガーを引いたのは、そのグラントリ大公の一人である。アルファティアの猛攻の前にジアティスが敗れ、滅亡の危機に瀕したグラントリ公国はNucleus of the Spheres(ニュークリアズ・オブ・スフィアズ)と呼ばれる、世界の全ての魔法を吸収する、超強力マジックアイテム(アーティファクト)の封印を解く。ミスタラ世界を嵐が吹き荒れ、世界のすべての魔術師は魔法を失い、僧侶は神の声が聴けなくなり、悪魔は制御を解かれ……そして「魔法帝国」アルファティアは海中へと没する。

 ロードス島戦記でいえば、それこそ「ヴァリスがファラリスに宗旨替えしてロードス島の他の国をすべて滅ぼしました」くらいのインパクトのある大事件である。メディアワークス版のリプレイのタイトルが「ミスタラ黙示録」となっているのも、明らかに、未来に待つこの大戦争を暗示したタイトルだろう。



 ところが、日本では結局この「Wrath of the Immotals」は翻訳されなかった。私が上に書いた戦争にまつわる経緯は、昔手元にあった英語版の資料や、ネット上に存在する有志の抄訳、あるいは英語版のサポートページなどから得られた断片的な情報である(それらも今はほとんど消えている)。
 もちろんこれは、翻訳物のTRPGとしては珍しいことではない。特に、CD&Dのメディアワークス版の翻訳打ち切りは、同社がTRPG全てから手を引く、急な流れの中で決まったと思われるからだ。雑誌も、新刊予定も、全てある日突然白紙になった。それはビジネスである以上、やむを得ないことだと思う。


 問題は翻訳されなかったことではない。上に書いた「出版された2冊の小説」にある。これは翻訳されたもので、日本語版のオリジナルではない。タイトルは「魔術師の遺産―ミスタラを継ぐものたち」。──この小説の舞台は、なんと「大戦後」。つまり二つの帝国が「消滅」した後の物語であり、メインヒロインはシャドウエルフである。



 ここまで書けば、何故私がこのエントリをロードス島戦記RPG復刻に合わせて書こうとしていたか、お分かりだろう。事情が同じなのだ──ルールブックが想定する時代と、小説(ロードスについては勿論「新」小説版だ)が想定する時代が違いすぎて、小説の内容を前提にTRPGを遊ぶことができない。

 この「ミスタラを継ぐもの」が出版されなかったのなら、まだわかる。本国では年表が進んでも、翻訳がそれに取り残されるのはTORGなど他のゲームでもあることだ。しかし、ラス・オブ・ジ・イモータルズが出版されないのに、何故かそれを前提とした小説は先に翻訳されて出版された。
 これで小説がつまらなければ、そこで話は終わりだったかもしれないが、出来は悪くなかった(なお、イラストは末弥純氏)。八方塞がりの状況がドラゴンの登場で打開される展開など、往年のドラゴンランスを思い出す。しかし、ダロキンやアルファティア、アエングモア(小説内ではイングモール)といった聞き覚えのある固有名詞が並ぶにも関わらず、情報の断絶が大きすぎて、それまでの日本語版ミスタラの情報とさっぱり結びつかない。翻訳者は小説の前書きで「世界に何が起きたかは読めばわかる」と書いていたが、読んでもさっぱりだった。私が上に書いたように色々な資料を調べたのは、この断絶を埋めるにはそれしかなかったからだ。

 当時は、翻訳者たちも巻き込まれた側だと思っていた。出版社のビジネス上の方針と、翻訳権との板挟みになったのだろうと。しかし、ミスタラ、フォーセリアリウイ)、ロードスと同じ状況が続くと……これはもう、巻き込まれただけとは言えないだろう。

 前にも一度書いたが、もう一度書こう。
TRPGを題材にした小説を出しながら、なぜか二つがリンクしない。それは双方にとって不幸なことだ」と。