苦い思い出ガガガ

 


 イエローサブマリンでこんな商品を見かけて驚いた。パッケージを確認したところ、作者も友野氏だったし、商品説明に七つの月が云々とか書いてあるし、容疑者にもダックがいるし、これはガープス・ルナルに登場する鬼面都市バドッカのことだろう。グループSNEと(ファイティングファンタジーでない方の)スティーブジャクソンの契約がどうなっていたかは知るべくもなく、ガープス日本語版に関連する著作物を、そこから離れたところでどこまで使えるのかはわからない。バドッカという固有名詞が見当たらないのは、そこら辺の大人の事情によるものなのかもしれない。
 しかし、私自身はこの設定には少し疑問を感じる。というのは、マーダーミステリーの主なターゲットと思われる比較的若い非電源系ゲーマーの人たちには、ガープス・ルナルに親しみはないだろうし(ガープス最後の日本語版が出版されたのは今から16年前だ)、逆に私のようにガープス・ルナルのことを知っている人間からすれば、バドッカで推理ものというと苦い思い出しか蘇ってこないからだ。
 ちなみに前の記事では割愛したが、ガープスを遊んだことがある何人かのTRPGプレイヤーに聞いてみても、あのシナリオをうまく回せたというプレイヤーに出会ったことは一度もない。だから私のようなオールドゲーマーからすると、鬼面都市で推理ものといわれると「あっ(察し)」という印象にしかならないのだ。
 今の時代にTRPGとクロスオーバーしたいのであれば、ソードワールド2.5でやった方がお互いのジャンルにプラスになると思うのだが。